第五回 スポーツの「キレイ」
2021/08/21
スポーツのキレイ
世の中はここのところ、なんとなく「低糖質」ブームだが、スポーツのキレイは「糖質」なくしては語れない。
アスリートに限ったことではないが、糖質は私達のエネルギー源の主役だ。
身体をそして頭をしっかり動かすためには糖質は欠かせない。トップアスリートの美しい身体の動き、瞬時の判断力の原動力は糖質だ。
選手達は必要な糖質を、毎回の食事の主食として穀類や芋等からでんぷんという腹持ちの良い形でその量をしっかりと摂り、運動の状態に合わせて、果物や甘味等から吸収の早い形の糖質を補給する必要がある。
そのため、私達スポーツ栄養士は、それぞれの選手の状況に合わせて、食事としての糖質確保と、補食としての糖質確保を考え、サポートしている。
この補食の糖質確保として、和菓子を好む選手が多い。洋菓子に比べ、脂質が少なくその分、消化吸収が早いから、という事もあるだろう。
和菓子の中でも、干菓子や饅頭よりも餅菓子や生菓子、羊羹類、寒天類と、ある程度の水分が含まれる和菓子を好む傾向にある。
これには、「日本人は欧米人に比べ、一般的に唾液分泌量が少ない」とされることが関係しているかもしれない。
例えば、長距離レース中の糖質補給のために作られている市販品を比べてみても、海外で一般的なヌガータイプや濃いジュレタイプの製品は、日本人の選手では口の中で粘り、口の中に残るのを嫌がる選手が多いのだ。
また一方で、日本の選手にとって和菓子は、海外遠征時等、慣れない土地で試合をするという「非常時」において、日本での「日常」を感じられる、癒しのエネルギー補給源としても重宝されている。
アスリートに対する和菓子からのエネルギー補給には可能性を感じてきた。ただ、和菓子の中でも生菓子、特に選手が求める良質な材料で作る生菓子は、長期携帯が難しい。
そんな時「匠壽庵 白姫餅」を知った。「いつでもおもち、どこでもお餅」のコンセプトは、まさに「非日常」で戦うアスリート達にぴったり、と考え、何人かの選手や、登山家、スポーツ愛好家に勧めた。人気は上々だ。
今後は更に、材料である、良質な小豆、蓬、きなこ、ごま、抹茶・・・など、ビタミン、ミネラル抗酸化成分を多く含む素材の栄養成分をギュッと濃縮した「濃姫餅」(?)を作れば、和菓子からスポーツをもっとキレイにできるかも!? と、勝手に妄想している。