第六回 食欲の「キレイ」
2021/10/26
スポーツ、芸術、読書、そして⾷欲の秋。
こんなに沢⼭、「〇〇の」と付く季節は秋だけだろう。
今年は⻑く続いた暑さから⼀気に秋らしくなり、実りの季節を実感。
冬眠を迎える動物のように、あれこれ⾷べたくなっているのは、私だけではないと思う。
⽇に⽇に⽇照時間が短くなるこの季節は、⽇光に当たる時間と分泌量が⽐例するとされるホルモン、セロトニンが少なくなりやすい季節でもある。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも⾔われ、満⾜感、満腹感を与え、⾷欲を抑える働きがある。
秋の⾷欲にはこの影響もあるらしい。
そして秋の夜⻑はゆっくりと⾷べものを楽しむ時間を与えてくれる。
やっぱり秋は⾷欲をかき⽴てる条件が揃う季節なのだ。
エネルギーと栄養素をしっかり補給したい⼈には絶好の季節。
これら条件を上⼿に活かし、秋のキレイを存分に味わおう。
⼀⽅でやはり、⾷べ過ぎには注意が必要。
良く噛み、ゆっくり⾷べる事は、脂肪燃焼を促進すると共に⾷欲を抑制する効果が期待されている成分(ヒスタミン)が活性化するとの報告がある。
秋のご馳⾛は、慌てて飲み込まず、五感で愛でながら、少しずつ、じっくり⼝の中で味わいたい。
となると、ホッと⼀息、お茶と⼀緒にいただく、秋の和菓⼦は、⾷欲のキレイに活躍しそうだ。
まずは、秋らしさを愛でるに相応しい、栗の和菓⼦。
調理法にもよるが、エネルギー代謝を助けるビタミンB群を含む栗は、意外に低エネルギー。
エネルギーの取り過ぎを防ぎたい⼈には、⼩ぶりながら栗がたっぷり⼊ったものがお勧めだ。
例えば、⼤粒の栗をつやつやの蒸⽺羹で上品に包んだ「栗⼭家」と、しっかりした粒あんの⾷感が何とも⼼地よい「⼀壺天」。
そうか、エネルギー量はほぼ同じだが、たんぱく質は「⼀壺天」が多いんだ・・・と、HPの栄養成分表を⾒ていたところ、さらにたんぱく質が多い
栗のお菓⼦を発⾒。
季節の⽣菓⼦「くりきんとん」。機会があれば是⾮いただきたい。
⼀⽅、エネルギーをしっかり摂りたいときには、あも(栗)をいつもより厚めに切って、贅沢に、も勧めたい。
秋の醍醐味。
最後に、秋の⾷べ過ぎが気になるときの更なる予防策。
ご馳⾛を前にしても慌てず、まずはゆっくり深呼吸。⼤丈夫、ご馳⾛は逃げない。
肩の⼒を抜いて深い呼吸でリラックス。
次に⽔分補給。
わかりやすく汗をかく夏に⽐べ、肌寒くなる季節は⽔分の補給が少なくなりやすい。
⾷欲と感じるものが実は乾きによる枯渇感、ということもある。
例えば、好きな⾹りの温かいお茶を携帯して、こまめに補給するのも秋の楽しみになる。
⾹りにこだわりがなければ、⽩湯もお勧めだ。湯気で肌の乾燥も防ぐこともできる。
そして、以前「キレイの時間」のコラムでご紹介したが、活動量が少なくなる夜の過⾷はエネルギーとして蓄積されやすい。
秋の夜⻑、エネルギーが⾼そうなものは、なるべく早い時間に、を⼼がけ、
⻑くなった分の夜は、早めに眠るか、あるいは読書、芸術の秋、を楽しむことにしよう。
くりきんとん
栗山家
一壺天