第十二回 おなかの「キレイ」
2022/10/13
「推し活」「ソロ活」「ラン活」・・・世の中いろんな「活」であふれている。
2020 年の「国語に関する世論調査」(文化庁)によると、2000 人の内、54%が「〇〇活」という表現を「使う」と答え、91%が「他人が使うのを気にならない」と回答。
「〇〇活」という言い方、いつ頃からのことなのか、調べてみると、一般に定着している「就活」は1999年、「婚活」が2007年、「終活」は2009年に初めて登場したらしい。
そんな中、「腸活」が登場したのは2015年。
それから7年、消えることなく、さらによく耳にするようになったと感じている。
「腸は第2の脳」あるいは「脳は第2の腸」とも言われ、腸内環境を整えることは、健康な心身の基本、と認識されるようになった表れと、個人的に喜んでいる。
食べ物に限らず、色々な「腸活」が考えられるが、秋から冬にかけての食材で、見逃せないのは、さつまいもだろう。
スイートポテト、モンブラン、芋ようかん、茶巾絞り等々、芋類の中でも年間を通じてお菓子の代表的な材料でもある。
さつまいもには、消化されずに大腸まで届き、腸内の有用な菌のエサとなり、それにより発酵する力を持つ発酵性食物繊維、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が豊富。
この発酵により、腸の中では、短鎖脂肪酸が増え、腸内を酸性にし、有害菌が生息しにくくなる。
つまり、腸内の有用な菌を増やし、有害な菌の増殖を防ぐのだ。
ここ数年、冷やし焼き芋が人気となり、コンビニでも売られているが、これも腸内環境改善にも見逃せない食べ方といえる。
レジスタントスターチは、でんぷんが冷えることによって増える。
またさつまいもは皮に食物繊維が多いので、冷やした焼き芋は丸ごと食べるとより有効な「腸活」となる。
収穫後2ヶ月程置くことで甘くなるさつまいも。
栗、梨、柿など期間限定の秋の食材に比べ、長く楽しめる保存性の高さも、腸内環境を良い状態で維持するためにはありがたいポイント。
この秋、おなかの「キレイ」として、さつまいもを「推し」たい。
芋と小豆と栗。 二層の羊羹で秋の実りをあらわしました。
安納芋は焼き芋にし、コクのある甘さを凝縮。
鳴門金時は皮ごと加え、瑞々しい芋羊羹に。
芋羊羹とこし餡の羊羹の間には、きざみ栗をしのばせました。