第十六回 「キレイ」と潤い
2023/07/11
汗をかき、体内に⽔分があることを感じやすい季節。
⼀般の成⼈で男性と⼥性では体内の⽔分はどちらが多いか?
答えは男性。
⼥性の⽅がぽちゃぽちゃしていて⽔分が多そう、と思う⼈が多いようだが、残念ながらこのぽちゃぽちゃは⽔分ではなく⽪下脂肪の場合が多く、脂肪細胞には⽔分は少ない。
⼀⽅、筋⾁には⽔分が多いため、⼀般的に⼥性に⽐べ筋⾁量の多い男性の⽅が⽔分量は多くなる。
そのため男性も、例えば仕事が忙しくなり、運動する時間がなくなると、体重に変化はなくても筋⾁は落ち、脂肪がつくと、体内の⽔分量は少なくなることがある。
男⼥共に「隠れ 肥満」は要注意。
潤いのためにも、筋⾁は⼤切なのだ。
暑さを避けるため活動量が少なくなりやすい時期、⼼当たりのある⼈は、何か⼯夫して、筋⾁を刺激する習慣を意識すべきだろう。
合わせて夏の運動習慣に⽋かせないのは、早め早めの⽔分補給の習慣。
特に運動でたくさん汗をかくときには、塩分・糖分の⼊った、スポーツドリンク等を早めに少しずつ取るのが基本となるが、アスリートの中には、⼀般的なスポーツドリンクの味を嫌がる⼈が⼀定数いる。
この場合、0.1〜0.2%の塩分と5%前後の糖分を含むものであれば良いので、お茶や果汁をベースに⼿作りのスポーツドリンクを勧めることがある。
ただし⼿作りの場合、無菌状態では作れないので、保管状態には気をつけ早めに飲みきることも忘れずに⼀緒に伝えている。
お茶をベースにする場合、利尿作⽤のあるカフェインを含むお茶は避ける。
⽇本の昔からの夏の定番、ノンカフェインの⻨茶ベースで作ったものを好む選⼿も多い。
⻨茶は汗で失われるミネラルや抗酸化作⽤のあるポリフェノールを含んでいるのも好都合だ。
和の素材でさらに⼈気なのが、梅ベースの2種。
⼀つは梅⼲ベース。
梅⼲しと蜂蜜を⽔で割り半⽇ほど冷蔵庫で保存して味を馴染ませる。
もう⼀つは梅シロップを薄めて塩を加えて作ったもの。
どちらも糖質、塩分を必要に合わせておいしく「塩梅」することができる。
⾼密度のエネルギー補給が必要な場合のドリンクとしても⼈気が⾼い。
梅については「素材のキレイ」でも紹介したが、体の⾎流を良くし、酸素や⽼廃物の運搬をスムーズにする作⽤があるムメフラール、エネルギー産⽣を助けるクエン酸、リンゴ酸といった有機酸を含む。
この他、各地域で作っているカフェインフリーのお茶、果物・野菜のシロップ、ジャム等で、その⼟地ならでは、のスポーツドリンクを作ることができるので、ぜひお試しを。
最後に、飲むだけが⽔分補給ではない。
私たちは⽔分の半分を⾷べることから補給している。
夏の練習で、朝⾷を⾷べて来なかった選⼿が熱中症になったという例も多い。
特に野菜や果物の多くは8〜9割が⽔分。
なので「すいか、トマト、きゅうりにちょっと塩をかけて⾷べる」は、夏の「⾷べるスポーツドリンク」の代表例だ。
厳しい暑さには、飲むだけではなく、⾷べる⽔分補給もしっかり意識したい。
筋⾁への刺激と⾝近な和の⾷材の⽔分補給で「キレイ」に潤いながら、今年の夏を楽しもう。