第十五回 肌の「キレイ」のミソ

第十五回 肌の「キレイ」のミソ

2023/04/08

 「そこがミソ」「⼿前ミソ」「ミソをつける」「ミソっ⻭」… 様々な調味料の中でもダントツに慣⽤句の多い味噌。

 古くから多くの⼈に愛され、⽇本の⾷⽂化の代表的存在である事を物語っている。

 さて、⾔葉ではよく⽿にする味噌。⽇頃皆さんはどのくらい⾷べているだろう?

 

 味噌を愛してやまない私のゼミ⽣は、卒業論⽂で「1970 年代から味噌の国内の売り上げ、⽣産量はずっと低下し続けている。またこの事が問題である、とする⽂献の数も年々少なくなっている」という調査結果から「発酵⾷品がブームと⾔われている中で、残念ながら味噌は、⽇本の伝統的な⽇常の発酵⾷品として認知されなくなっている」とまとめた。

 ある程度は想像していた結果だが、やはりこれはもったいない、と思う。

 

 江⼾時代から「医者殺しの味噌」と呼ばれてきた味噌。

その効⽤については、消費が減り続ける間にも、栄養学的機能性がいろいろ明らかになっている。

 

 例えば、これからの季節に気になる肌の紫外線対策。

 味噌を作る過程の発酵、熟成により⼤⾖に含まれるリノール酸は、遊離リノール酸となり、メラニン⾊素合成を分解し、⽪膚細胞を傷つけることなく肌を紫外線から守る効果を発揮する。

このことは 1990 年代に発表され、その後の研究(前⽥ら 2014)でも「20〜40 代⼥性 22 ⼈を、淡⾊系⽶味噌の味噌汁と味噌なし汁を摂取する2群に分け、それぞれ 1 ⽇ 2 杯、4 週間継続して摂取したところ、味噌汁を摂取した群は、頬のシミスコアが改善、頬のメラニン量の減少を確認した」との報告がある。

 

 新たな⾷品に機能性を求めるのもありだと思うが、各地域の先⼈たちが⽇常で守ってきた、それゆえに⾝近すぎて忘れそうになりがちな⾷品の機能性を⾒直し活⽤したい。

 味噌はその代表的な⾷品と⾔えるだろう。

 

 味噌の中でも⽶こうじの割合が⾼く肌の美⽩効果が⾼いとされる、⽩味噌などの淡⾊系⽶味噌は、⽩餡と合わせた味噌餡等、和菓⼦とも親和性が⾼い。

個⼈的にはもっと⾊々な和菓⼦に使われるといいな、と思っている。

 今ある和菓⼦の中で味噌餡といえば、年始の祝いの花びら餅と、端午の節句の柏餅だろう。

 この味噌餡の柏餅、私が今まで暮らした東京、滋賀、京都では普通に売っていたので、全国にあるものだと思っていたが、関⻄より⻄の地域(中国、四国、九州)ではほとんど⾒ないと聞いた。

 味噌餡の柏餅、どこかで⾒かけたら、今年は肌の「キレイ」のためにもお試しください。

 

※叶 匠壽庵の柏餅は、つぶ餡(蓬)とこし餡(白)です。

※2023年4月29日~5月5日販売予定。

 

※12月下旬~1月上旬に販売している商品です。

 

 

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