第十九回 梅散策の「キレイ」
2024/01/26
自宅近くにあるホテル中庭の梅の木の蕾が、少しずつ大きくなってきた。
今年もまもなく梅の花の季節がやってくる。
首都圏から、滋賀県に居を移して14年。花の散策で季節を感じる楽しさが身についた。
毎年その始まりは、梅だ。
梅の木にはたくさんの品種がある事を意識したのもこちらに来てからのこと。現在300種類以上あり、花の鑑賞を目的とする「花梅(はなうめ)」と、実の採集を目的とする「実梅(みうめ)」に大別されるらしい。
花梅は、かなり厳密に分類されている。まず3つの「系」(原種に近い「野梅(やばい)」系、花が紅色・緋色の「緋梅(ひばい)」系、梅と杏の掛け合わせた「豊後(ぶんご)」系)に分かれ、さらにそれぞれが、9つの「性」に分類されている。それぞれが、花の色はもちろん、香の違い、花びらの形の違い、開花時期など、個性豊かなので、見に行くタイミングによって、梅林の景色が毎年違うのも楽しい(それに対し実梅は、園芸学的な細かい分類はされていないようだ)。
私が毎年覗きに行く石山寺の梅林も、たくさんの種類の木があり、それぞれの梅の個性をじっくり味わいながら散策していると、いつも知らない間に結構な歩数になっていて驚く。
まだ寒さが残り、近くに行くにもつい車でと運動不足が気になる人、ぜひ「キレイ」のためにも今年の梅の散策をお勧めしたい。
そして梅林と言えば、寿長生の郷。まずは入り口の古民家近くで、鮮やかな花梅(紅梅)を楽しみ、見事な城州白梅(実梅)の梅林のアーチを潜り、今年の実りを想像しながらゆっくり山のテラスまで登り、圧巻の梅の花を見下ろす。ここまでには、きっと結構な歩数になっているはずだ(今年は計ってみたいと思う)。
京都大学とカリフォルニア大学の研究グループが20歳以上の300人余りを10年追跡したデータでは、週に1日か2日、1日当たり8000歩以上歩いている人は、1日も8000歩以上歩いていない人と比べ、心臓の血管の病気による死亡リスクが8.1%低下。一方、週に3〜7日歩いた人でもこの値は8.4%と、大きな差はなかったと発表している。
つまり、毎日がんばって歩かなくても、週末の散策で8000歩程度歩けば、健康に良い影響が期待できそうだ。
散策前には、水分とエネルギー補給を忘れずに。
まだ肌寒い日には、寿長生の郷の「梅ジュース」を白湯で割ったものなど如何だろう。
今年の梅まつりも楽しみだ。