第七回 年末年始の「キレイ」
2021/12/17
おうち時間が増えても、⽇本の年末年始はせわしない。
12⽉25⽇まではクリスマス⼀⾊だが、次の⽇からはお正⽉に向けて和の世界に⼀変。
クリスマスツリーを⽚付けながら、欧⽶では年明けまで飾られていると知ると、まだいいのに、と思っていた。
でも、私がまだ⼩学⽣だったある年のクリスマスは、この⼀夜の⼀変に救われた。
従兄弟達も遊びに来ていたその⽇。
例年同様、和室にクリスマスツリー、⻑座卓には、照り焼き⾵のローストチキン、ホールケーキにシャンメリー (シャンパン⾵炭酸飲料)と、昭和の家庭のクリスマスの定番が並んでいたと思う。
誰かが景気良くシャンメリーの栓を勢いよく開けた直後、全てが闇となった。
「・・・」 何が起こったのか、わからなかった。
誰かがケーキのロウソクに点⽕。
その薄明かりから⾒えたのは、天井からケーキに散りばめられた無数の電灯の破⽚。
電灯もケーキも⼀瞬にして失った。
「・・・」 あまりのことに私は⾔葉を失った。
楽しいはずのクリスマスは、⽂字通りのサイレントナイトとなった。
トラウマともなり得そうな⼀夜だったが、翌朝からは何事もなかったように、年賀状、⼤掃除、おせちの準備という年末年始のイベントに向けての多忙な⽇々だったため、悲劇の傷跡は最⼩限に抑えられ、この夜の出来事は、次のクリスマスからの「おいしい話」として語り継がれることになった。
年末までクリスマスの余韻が残っていたら、話は違っていたと思う。
と、こんなクリスマスでもない限り、クリスマスまでは洋⾷のごちそう、その後年末年始はおせちやお雑煮に代表される和のごちそうを連⽇せっせと摂取することになり、胃腸もかなりせわしない。
胃腸は疲れやすく、そして、体は太りやすくなる。
こんな状況の年末年始の「キレイ」をどう作るか?
「晴れの⽇」として割り切り、とことんごちそうを楽しむのもいい。
この際、⼼がけることとしては、勢いに任せず、ひとつ⼀つのご馳⾛をゆっくりじっくり楽 しむこと。
これだけでも胃腸への負担は軽くなりそうだ。
また、この間に太るのが気にあるのであれば、事前にその⼯夫をしておこう。
ポイントは⾃分の体の現状と活動量から⽬を背けないこと。
例えば、お勧めの⼀つがスマートウォッチの活⽤だ。
私は⾃宅の体組成計と連動しながら着⽤して7 年になるが、これが「つけるだけダイエット」になっていると思う。
また、この間の出来事を、⾃分の活動量や⾝体状況を通じて思い返すこともできるので、⽇記が続かない私にとってはとてもありがたい。
⾷べ⽅で「キレイ」の⼯夫するのであれば、以前紹介した、時間栄養学を取り⼊れ、朝⽅中⼼にするなど、⾷べ⽅のタイミングを整えるのもいいし、栄養素で調整するならば、糖質と共に、クリスマスまでは、洋⾷に多い脂質の取りすぎ、年末年始は和⾷に多い塩分の取りすぎに気をつけながら、乱れやすい腸内環境を整えるため、発酵⾷品や⾷物繊維源を意識的に取り⼊れるのもよいだろう。
さて、年始の花びら餅に代表されるように、年末年始はお菓⼦もいただく機会が多いが、「キレイ」としては、「標野(しめの)」を勧めたい。
胃腸に優しく、エネルギーを取りすぎず、梅の酸味と寒天の⾷感が、年末年始の疲れを癒してくれるはずだ。
朝焼けを思わせる、梅酒の織りなす鮮やかなグラデーションを愛でながら新年を祝い、次に訪れる梅の季節を待つことにしよう。