第十一回 酷暑の「キレイ」
2022/08/10
今年の夏も暑い。
気象庁によると、過去85年間(1931〜2016 年)において、最高気温30℃以上の真夏日も、最高気温35℃以上の猛暑日も、共に増加傾向にあり、最低気温が25℃を下回らない熱帯夜の日数は、統計期間で10年あたり1.7日の割合で増加しているとのこと。
昔に比べ日本の夏は、確実に酷い暑さになっていることは間違いないようで、今後、その対策はますます必要になる、ということだろう。
この日本の酷暑のキレイ対策として、今回は、日頃から私が愛する抹茶を推したい。
抹茶は、一般的に、新芽の生育中に一定期間覆いをして光を遮る方法で栽培し、茶葉を蒸して揉まずに乾燥させた「碾(てん)茶」を、茶臼などで微粉砕したものを指す。この「碾(てん)茶」は、茶葉のうま味成分が日光により渋味成分に変化するのを抑え、うま味成分であるテアニン、グルタミンをいったアミノ酸を多く含むため、濃い緑色の見た目から想像する苦味よりは、濃厚な深いうま味と香りを持つ。
抹茶はこの茶葉を丸ごと食べるので、茶葉の様々なビタミン(A・K・E・葉酸など)を余すことなく摂ることができる他、茶の健康効果として期待されている、日差しから肌を守るポリフェノールである、茶カテキンや、ストレス耐性を高める前出のアミノ酸、テアニンそれぞれを、煎茶(抽出液)の2倍摂取できる。さらに湯に解けないため煎茶(抽出液)には含まれない、ルテインという日差しから目を守る成分も摂ることができる。これら健康効果への期待もあってか「Maccha」は、日本のみならず、世界各国で認知され、いろいろなお菓子や料理に大活躍だ。
抹茶水羊羹や抹茶アイスなど、夏向きの抹茶スイーツも数限りなく売られているが、私の夏の抹茶といえばかき氷。宇治金時とも呼ばれる、抹茶小豆氷だ。数あるかき氷メニュー中でも、抹茶と夏に足りなくなりやすいたんぱく質とビタミン B1を含む小豆の組み合わせは、夏の酷暑対策として一推しだ。
寿長生の郷の氷室守の抹茶小豆も気になるが、この原稿を考えていた間、私の頭の中は、自宅に近く、自転車でよく訪れる、石山寺門前にある叶さんの「石餅かき氷」でいっぱいになっていた。濃厚な抹茶蜜とたっぷりの小豆に石餅が3つも入った、贅沢かつお得な逸品。
まだ未経験であればこの夏の酷暑対策にぜひ味わってみてほしい。